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2017年9月26日火曜日

高校野球の都道府県別勝率の推移5(近畿編)

こんにちは。早いもので高校野球都道府県別勝率推移シリーズも第5弾、今回は近畿編です。

ちなみにもう一度データについて説明しますと、

データは、夏の大会が1県1代表になった1978年以降の成績を集計しました(集計対象には春の大会も含む)。そして、前後5年間(当年を合わせて合計11年間)の勝率の推移、言ってみれば勝率の移動平均のようなもの、をグラフにしてみました。
ということです。

それでは見ていきましょう。


近畿は強豪揃いというイメージがありますが、果たしてそのような結果と相成りました。特にやっぱり大阪がずば抜けてますね。この10年で大阪桐蔭が夏3回、春2回の優勝。また2017年春は同じ大阪の履正社も準優勝で、今年はついに勝率が8割を超えました。2005年あたりで落ち込んでいますが、それでも5割。集計当初のPL学園黄金時代から上宮の活躍を挟み、今は大阪桐蔭、履正社と、常にトップクラスの高校を擁し、世代交代も非常にスムースにいっていて、文句のつけようがありません。

一方、一時はその大阪を凌駕する勝率を誇りながらも最近の凋落が激しいのが和歌山。大阪の上を言っている1997年から2005年あたりはとにかく智辯和歌山が大爆発した時期でした。1994年から2002年の間に春は優勝1度準優勝2度、夏は優勝2度準優勝1度、ベスト4が1度と、手のつけようもない強さでした。ただここ5年で見ますと、春は0勝4敗、夏は2勝5敗と非常に苦しい。今年の智辯和歌山は対戦相手に恵まれませんでしたが、復活の兆しは見せたので、今後に期待です。

京都、奈良、兵庫は常に5割前後で安定している感じですね。京都は1997年夏平安、1998年夏京都成章の連続準優勝と2005年夏の京都外大西の準優勝のデータが入った2001年あたりにピークが来ていますね。また最近は、夏はさほどの成績ではありませんが、春が2013年の龍谷大平安の優勝、2016年のこれまた龍谷大平安のベスト4と好成績なので、それなりの勝率を維持しています。

奈良は1986年夏、1990年夏の天理の優勝で俄然勝率がアップします。また春も1997年天理、2016年智辯学園と、優勝回数は多いです。また、1983年から2017年までの35年で、夏に限って言えば初戦敗退が8回しかなく、ベスト8進出が8回。これは非常に優秀で、この安定感の源泉となっています。全国出場校が非常に限られている奈良ですが、出たチームはしっかり活躍する、そんな県ですね。

一方、実にいろいろなチームが出てきては活躍するのが兵庫。その中でも目立つのは東洋大姫路と報徳学園でしょうか。しかしそれ以外にも、1993年夏優勝、2000年なつベスト4の育英、1999年夏ベスト8の滝川第二、2004年春ベスト4の社、2005年春ベスト4の神戸国際大付、2016年春ベスト8の明石商と、多彩な高校が甲子園の歴史を彩っています。春は2002年から2006年まで5年連続ベスト8以上で、2007年を飛ばして2008年、2009年はベスト4と、すごい成績です。ただしこの時期は夏の成績が良くなく、勝率も頭打ちになっているのが残念。最近の成績の挙動は、京都に似ています。

最後に滋賀ですが、春の成績がいい時期は夏の成績が悪く、夏の成績がいい時期は春の成績が悪くて、トータルとしてはそこそこ、という感じになってしまっているという印象を受けました。まず1980年代前半は比叡山、瀬田工、甲西といったところが夏に活躍し、1979年から1985年までの間に4度のベスト8進出を果たしているのですが、同時期の春は6戦全敗。1990年代以降だと1993年春に八幡商がベスト8、2003年春に近江がベスト8、2016年春に滋賀学園がベスト8と奮闘しているのですが、夏のベスト8以上は2001年の近江の準優勝のみという、なんとも不思議な成績となっています。そしてここ最近は、春はコンスタントに1勝ずつくらい挙げて、なんとかそれなりの数字を保っているという感じでしょうか。

以上、近畿を見てみましたが、近畿っていつも強いよなあ、という印象以上に、山あり谷ありあったりして、興味深かったです。次回は中国地方を見てみます。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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